コラム

福岡市が成長を続ける理由

本日は福岡市が成長を続ける理由を福岡の福岡アジア都市研究所の研究報告書から見ていきましょう。

1 福岡市の人口の増加

福岡市は日本全体で人口が減少する中、数少ない人口が増加している都市として注目されています。福岡の人口は、2000年に134万人だったものが、2010年に146万人、2019年には158万人となっています(2021年には162万人となっています)。

引用:http://urc.or.jp/fukuoka-growth-2020#prettyPhoto

2000年~2019年の人口増加率は福岡市は、18.4%の増加率となっています。同期間の東京都の人口増加率も18.4%であるため、福岡市は2000年~2019年に東京都と同じ増加率といえます。

一方で同期間で最も人口増加率が高いのは川崎市の22.3%となっています。2000年~2019年の間に10%以上の人口増加率となっているのは、川崎市の22.3%、福岡市と東京都が18.4%の3つの都市となっています。

同期間の大阪市の人口増加率は5.3%、名古屋市は7.1%、札幌市は8.1%となってり、10%に届いていません。

この人口増加率の高さが福岡が日本一元気な都市と言われる一つの理由です。

2 福岡市と川崎市の違い

2000年~2019年の人口増加率は川崎市が22.3%であり、トップであることから人口増加率が高い福岡市と川崎市を比較してみましょう。
ここで両都市の昼夜間人口を比べてみます。昼間比率は昼間人口/常在人口で割りだします。

引用:http://urc.or.jp/fukuoka-growth-2020#prettyPhoto

福岡市の昼夜間人口は、110.8%となっています。一方で川崎市は88.3%となっています。

福岡市の昼夜間人口は大阪市の131.7%、東京都の112.8%、名古屋市の112.8%に続く高い数字になっています。

これが何を意味するかというと、福岡市は従業先として、日中に人口が増えており(福岡市の日中人口は約170万人)、人々が働く従業地として機能しているということです。

一方で川崎市は、昼夜間人口が88.3%であり、夜間人口が約147万人である一方、日中人口は約130万人になっています。つまり、川崎市の住民は、その多くが通勤や通学で日中に川崎市から流出し、夜に川崎市に戻ってきているのです。

引用;http://urc.or.jp/fukuoka-growth-2020#prettyPhoto

このように、福岡市は、人口増加率が高い都市であること、昼間人口が夜間人口を上回るという「就業地」、「就学地」として機能しているところが同じ人口増加率が高い川崎市と異なる点といえます。

つまり、人口増加率が高く、昼間人口が高い都市というのは、福岡市は東京都と並ぶ都市といえます。これが福岡市の魅力の1つといえるでしょう。

不動産開発や不動産投資で福岡市が全国的に注目を浴びているのは、単に福岡市の人口が増加していることばかりではなく、福岡市が社会人が「働く街」学生が「学ぶ街」として拠点としての機能を有しており、ここから派生するニーズにより、ビル開発、商業施設開発、ホテル開発、物流倉庫開発、医療介護施設開発の需要が多いことが1つの理由といえるのです。

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